使用言語やプログラムの変換により非互換の解消を図る「リライト手法」に強み
ITの領域において、マイグレーションとは、汎用機(メインフレーム)やオフコンなどの伝統的なレガシーシステムから、既存のプログラムやデータ資産を新たなオープンシステムの舞台へと移行させる革新的なプロセスです。デジタルトランスフォーメーション(DX)の鍵を握るこの移行アクションは、オンプレミス・システムの可視性を高め、新たな可能性への扉を開きます。未来志向のステップとして、このマイグレーションがビジネスにもたらす進化を体感してみてください。
現代のDX時代において、古くから利用されてきたオンプレミス・システム環境から、クラウドサービスなどの新たな舞台への移行が主流となっています。
【用語解説】
(参照)IT用語辞典(e-words)より「マイグレーション【migration】」
(参照)IT用語辞典(e-words)より「レガシー・マイグレーション【legacy migration】」
マイグレーション(システム移行)を実施する手法と種類
旧来のレガシーシステムをオープン化するためのマイグレーション手法には、主に「リライト」・「リホスト
・「リビルド」と呼ばれる、3つの方式があります。各方式の特徴は、以下の通りです。
- リライト[Rewrite]方式」
プログラムのロジックを変更しないで、使用言語とプログラムを新たなプラットフォームで動作するように書き換え、移行する手法です。通常、プログラムの変換ツールを開発し実施されます。 例えば、汎用機上のCOBOLで開発されたプログラムを、変換ツールによりJAVAに書き換え、クラウド基盤上のWindows ServerやLinux等のオープン環境で動作させる場合などが該当します。
- リホスト[Rehost]方式
現在使用中の開発言語やプログラムを継承し、現在のプラットフォームだけを最新のオンプレミスやクラウド環境などのインフラに移行する手法です。既存のアプリケーションを、そのまま移行するので、移行リスクの少ない手法とされています。
- リビルド[Rebuild]方式
スクラッチにより全てを作り直す手法で、システム再構築といわれることもあります。基本的に、新規開発となるため、上記の2方式に比べ、開発期間や費用がかかってしまう傾向にあります。
システムズは、マイグレーション(システム移行)において、「Any to Anyの移行を可能に!」をコンセプトに、ロジックはそのままに開発言語(ソースコード等)だけオープン系に書き換える「リライト方式」を採用しています。
DX時代を迎え、レガシー化・ブラックボックス化が進んだオンプレミスシステム上の老朽化アプリ資産の非互換を解消し、AWS等のクラウド環境へ変換移行し稼働させるケースで、「リライト方式」は、改めて注目されているのです。
システムズのマイグレーションでは、ソースコード変換ツール(以下、変換ツール)を使った移行方法をメインに採用しています。しかし、変換ツールによるプログラムの書き換え方法では、ソースコードに表現されないOSの機能などが、変換後のソースコードをコンパイルした後の動作検証で欠落していることが発覚することが多々あります。このために、動作検証をしながら問題個所を手作業修正するといった、いわゆる“もぐらたたき方式(複数回の手戻りによる問題箇所の修正)”による移行作業を行うことが計画外で発生し、移行期間や費用増の要因になる場合があり、リライト方式のリスクとされています。
「変換ツール」による変換ミスを解消できずにマイグレーションで失敗した経験はありませんか? 当社では、決して目新しいアプローチではありませんが、現行システムの調査/分析に焦点を当てて移行リスクの把握に努め、マイグレーション特許に基づく「パターン分析」の活用により、変換ツールの最適化を図っています。ロスとリスクの多い“もぐらたたき方式”による高リスクな移行作業から脱却を目指して積み上げてきたマイグレーション手法が、システムズの「リライト方式によるエンジニアリング型マイグレーション 」なのです。
非互換を解消するリライト式エンジニアリング型マイグレーションで、レガシーシステム刷新を支援
システムズは創業以来50年、コンピュータ・システムの進化と共に、独自のシステム開発により競争力の強化とノウハウの蓄積を図り、事業領域を拡大してきました。企業の既存システムを新しいシステムへ移行する際に採用される「マイグレーション技術」ではは既に国際特許を取得し、マイグレーションプロセスの標準化に着手。「パターン分析」による、移行リスクの「視える化」に努めています。(※ 2023年現在、国内・海外合わせて18のマイグレーション特許 取得実績)
マイグレーションのリーディングプロバイダとしてシステムズが第一に考えているのは、“移行リスクを抑えた確実なマイグレーションの提供”です。高品質なマイグレーションの実現には、理由があります。
- マイグレーション上流工程にフォーカスしたアプローチ
徹底した事前調査/分析と移行設計を実施し、資産棚卸と移行性検証により潜在する移行リスクを可視化します。
- マイグレーション特許に基づく独自手法および固有技術の積み上げと洗練化
移行対象となるプログラムソースを「パターン分析」により変換箇所をデータ化し蓄積、変換ツールの最適化、パターンの網羅性から導くテストの効率化を推進しています。
- 継続的な移行品質向上へのチャレンジ
移行プロセスの標準化、分析・変換結果とパターンの蓄積・洗練化・再利用により、移行品質と生産性・保守性向上を図ります。
システムズのマイグレーション工程
マイグレーションからITリノベーションへ ~ レガシーシステム刷新に向け、企画構想からマイグレーションによる再構築フェーズ、再構築後の伴奏支援まで ~
DX時代のトータルソリューション、システムズの「ITリノベーション」。
システムズはマイグレーションをはじめとした各ソリューションでお客様のDX化を、ご支援いたします。
DX時代を迎え、システムズでは、最近お問い合わせをいただく関係のほとんどが、オンプレミス環境のレガシーアプリをクラウド上、特にAWS環境上に、マイグレーション(移行)していきたいといった内容になってきています。
特に、老朽化が進みブラックボックス化したようなシステムからの移行という内容が増えています。以下では、レガシー化が進み、ブラックボックス化した既存システムをどのようにクラウド移行していくのか? システムズは最新のDX化移行についても、マイグレーションに限らず、Webサービスも活用し対応を進めています。
→ システムズのITリノベーションサービスの詳細はこちら
DX化で重要な3つの取り組み
- 現在の業務・システムの全体像の把握
「どの部門でどんな業務があり、その業務を実現するシステムが存在して、どんな機能があるのか」「またどんなIT環境で動いているのか」といった観点で、各システムの課題や不要な機能 等を可視化・整理して把握します。
- 既存システムのスリム化
ブラックボックス化しているシステムの内部で、使われていない未稼働のIT資産等のプログラムを明確化し、廃棄することや、業務的な観点で不要な機能を明確にし、不要な業務・機能をスリム化していきます。
- 今後のIT計画(ロードマップ)の策定
将来的な経営ビジョンに照らし合わせて、現状整理したシステムを含めてどのようなシステムにしていくべきか、計画を立てることが重要です。スリム化してマイグレーションしていくのか、廃棄して新たなサービスを活用、再構築していくのか。そして、策定後は計画に従って、実際の対応を進めていきます。
このような取り組みにより、DX化に向けた既存のシステムの整理を行い、IT部門の方が負担の軽減を図る状況を作っていくことが重要なのです。