マイグレーション広告アーカイブ
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ニッキンFIT2012春
F | O | C | U | S |
クラウド本格化時代における
“成功する”システム再構築とは
老朽化・複雑化したシステムに、何からどう手を付けるか
老朽化・複雑化した現行システムにどう手を付けていくかは、実運用フェーズを迎えたクラウドコンピューティングを成功させるための大前提となる課題である。誰もが重要性を認識している“自社の情報システムの再構築や見直し”にどう取り組むかを、グランドデザインの視点から探り、方向性診断と資産棚卸の重要性を通して、マイグレーションの活用メリットを浮き彫りにする。
クラウドコンピューティングは
本格運用の時代へ
2011年の国内クラウドサービス市場は前年比で4割以上拡大し、2015年には2010年の5倍以上になると見られている。これまで、ITコストの削減やIT活用の効率化による企業競争力の強化という点から脚光を浴びていた部分もあるクラウドコンピューティングだが、こうした数字を見ると、単なるトレンドのキーワードから本格的な実導入の時代に移行していると言えるであろう。
クラウドコンピューティングは、サーバーやストレージなどのハードウェアやアプリケーションソフトウェアなどの資産を所有しなくても、インターネット経由で企業の求めるIT環境が入手・活用できる仕組みである。クラウドには、これまで不可欠だったサーバーシステムの構築が不要となり、開発・運用保守コストが削減できる、タイムリーに新規サービスを提供でき、アプリケーションの開発の期間短縮と生産性向上が期待できる、ビジネス環境の変化への柔軟な対応力やスケーラビリティの高さが実現できる、といった利点が挙げられる。とりわけ、2011年3月の東日本大震災以降は、BCP(事業継続計画)やDR(ディザスタリカバリ)の強化という側面から、セキュアにクラウドサービスを活用していこうという機運が高まりを見せている。
一方で、クラウド化を進めるには、自社のシステムを根本的に見直さなければならないが、これが多くの企業の悩みの種となっているのである。長く使い続けてきたシステムは、老朽化しているばかりか、度重なる改修による追加や修正で肥大化・複雑化している。さらに、システムを理解できる要員が社内にいなくなるという“人材のレガシー化”も進んでいるため、どこからどのように手を付けていけばいいのかが分からず、取り組みが先送りになっている企業も多く見受けられるのが実情だ。すべてをベンダー任せにしている企業は、自社システムの状況を把握できておらず、自社でシステムを見直すことがまったくできない、というケースすら見られている。さらに、汎用機のレガシーシステムだけにとどまらず、クライアント/サーバー型の旧いオープンシステムやサポートの切れたWindowsシステム、ERPのシステムの共存などがある場合は、既存システムの見直しは思ったほど容易にはいかない。
既存資産をクラウドに活かす
方向性診断と資産棚卸
自社システムの見直しには、「なぜ見直すのか」という必要性を明確にしていくことが求められる。現状を整理しながら次にあるべきシステムの目的や方針が立てられるからだ。
情報システム部門の観点からだけでなく、経営・営業の視点も踏まえ、現状の課題を洗い出し、システム見直しの必要性を整理することで、目的や基本方針を設定していく。これに基づいて、導入までのPlan-Do-Check-Actionサイクルを踏まえたロードマップ、すなわちグランドデザインを描くことが、システム見直しの最初のポイントになるわけである。
グランドデザインは、家を建てる際の青写真や設計図のようなものだ。その目的は、現状とあるべき姿に持っていくための仮説・方策とのギャップを埋めていくことにある。まず、現状業務の問題や目的達成のための課題は何かを洗い出し、「こうありたい」というビジョンと現状とのギャップをテーマや施策に反映させていく。優先課題を立てて段階的施策を講じ、テーマと課題と段階的施策に対してロードマップを策定していくことが大切だ。
システムズでは、洗い出した課題を、基本方針、現状分析、方向性診断、実行計画といったテーマ別に整理し、図1のようなグランドデザインの具体的な作業手順とタスクをまとめている。グランドデザイン・フェーズで見通しが確定した後は、インタビューやアンケートなどによる現状調査と分析の結果、さらには経営方針や業務特性、システム機能特性などに基づき、「クラウドをいかに適用していくか」を検討するための方向性診断を行う。最初からパブリッククラウドの利用を決めてしまう、あるいは一気にハイブリッドクラウド化しよう、というのではなく、業務特性やアプリケーションの機能、自社の経営方針や業務内容を考慮しながら、メリット、デメリット、コストやリスクなどを比較・検討し、最適な適用方法を考えることがポイントとなる。
パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッド、いずれのパターンのクラウド化を進める上でも必要不可欠となるのが、クラウド化の対象となるシステム資産の確定だ。システム資産の棚卸とは、稼動・不稼動および重複プログラムの洗い出しなどを行い、資産の可視化により、活用資産を明確にするものである(図2)。システム再構築の方法論にかかわらず、現行システムの資産棚卸は最も重要な項目となることを強調しておきたい。
クラウド成功を左右するマイグレーション
方向性診断と資産棚卸により、確定した資産を次期システムに活用したい場合は、クラウド化のためのマイグレーションが必要となる。ここでポイントとなるのが、「移行性検証」だ。これを行うことでシステムの現状が把握でき、移行コストの削減、リスクの事前把握、最適なクラウドアーキテクチャ方式の選択、正確な見積内容の把握が可能となる。このフェーズでは、クラウド化への技術的課題の抽出、不具合発生の予測と対策検討等のリスク管理、プロジェクト計画の策定を進めていく。
40年を超えるシステム構築のスキルとノウハウを持つシステムズは、国内外で9つの特許(2012年1月現在)を取得し、北海道での自治体クラウド開発実証事業の一環として行われた利用実証にも参加するなど、その技術は広く認められている。独自の手法を活かした移行対象プログラムの分析、資産棚卸と移行性検証など上流工程への注力、変換ツールありきで手戻りの多いもぐらたたき方式からの脱却、品質確保のための比較検証テストの必須化などを特徴としており、マイグレーション技術・ノウハウの積み上げと最適化と再利用によりコストを抑えながら品質の高いマイグレーションを今後も提供していく。
マイグレーション事業本部
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