マイグレーション広告アーカイブ
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ニッキンFIT2015春
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クラウド実用本格化で
マイグレーションの果たす役割とは?
クラウドのメリットを活かしたシステム再構築で企業競争力をアップ
クラウドコンピューティングの活用が本格化する中、クラウド化を進めたい企業にとってオンプレミスのシステムをどう見直し、移行していくかは最も大きな課題である。クラウド活用のメリットや自社に合ったシステム見直しについて考察しながら、マイグレーションの果たす役割を探ってみたい。
クラウドサービスの活用メリットとは
クラウドコンピューティングはここ数年で本格的な実運用のステージに突入している。MM総研の調査では、2013年度の国内クラウドサービスの市場は前年度比2割以上増加の6,257億円に成長、2015年度には1兆円を超え、さらに2018年度には1兆8,000億円規模まで拡大すると予測している。
また、総務省の平成26年版情報通信白書によると、クラウドサービスを利用する企業の割合は平成24年末の28.2%から1年で33.1%に上昇した。このように、クラウドは単なる流行のキーワードから本格的な運用の時代にシフトしていると言ってよいだろう。
クラウドサービスの活用メリットとしてまず挙げられるのがコストの低減である。これまで不可欠だったサーバーシステムの構築が不要となり、開発・運用保守コストが削減できる。また、マシンの更新や拡張性を考える必要がなくなるのも大きなポイントだ。
もう1つ、セキュリティ面でのメリットも挙げられよう。Webサーバーを自社運用するとさまざまなリスクを考慮せねばならなくなるが、クラウドサービスではこれをベンダー側に委ねることができ、ソフトウェアアップデートやパッチなども適切な対応が可能となる。東日本大震災以降は、BCP(事業継続計画)やDR(ディザスタリカバリ)の強化という側面からのクラウドサービス活用も目立つようになった。
先に挙げた平成26年版情報通信白書のクラウドサービス利用状況調査でも、「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」(38.8%)、「初期導入コストが安価だったから」(36.9%)、「どこでもサービスを利用できるから」(35.1%)といったコストや利便性を導入理由とする回答が上位を占めている。
このほか、クラウドの普及に伴い、サービスでの競争も激化し、クラウドでなければ実現できない高品質なサービスが受けられる点も付け加えておきたい。
既存資産をいかに活かすがクラウド成功のポイント
一方、先の情報通信白書では、クラウドサービスを利用しない理由として、「情報漏洩などセキュリティに不安がある」といった回答も見られた。また、それに次いで多かったのが「クラウドの導入に伴う既存システムの改修コストが大きい」という問題である。
従来と同じ機能を持つアプリケーションを最新のクラウド環境に合わせて再開発するのは確かに理想的だが、予算や期間が大きなネックとなる。そのため、基幹システムのクラウド化では、“既存資産を継承しながら、いかに移行メリットを最大限享受するか”がポイントだ。そうした意味で、クラウド化は維持費のかかる自社システムを見直す絶好のチャンスともなるはずだ。しかし、長年使い続けて老朽化・複雑化したシステムを見直そうにも、実際にどこから手を付けていいのか分からない、というのが多くの企業の本音で、具体策を立てるまでに至らず先送りになっているケースが実に多いのである。
また、クラウド化ではベンダーが提供するサービスの視点に目が向きがちだが、自社の業務特性に応じたクラウド適用を実現させていくためには、運用管理技術はもちろん、Web化や仮想化、マイグレーション技術、そのほか省エネ技術といった要素技術の検討が不可欠となる。
マイグレーションによるクラウドインテグレーションサービスを提供しているシステムズでは、クラウドが提供する環境に合わせたレガシーシステムの移行を支援している。つまり、マイグレーション自体がクラウド環境構築もサポートしているわけである。
クラウドマイグレーションでは、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッド、いずれのパターンのクラウド化を進める上でも、既存システム資産の棚卸がポイントとなる。システム資産の棚卸とは、稼動・不稼動および重複プログラムの洗い出しなどを行い、資産の可視化により、活用資産を明確にするものである。移行計画の段階において、綿密な資産の棚卸しと検証によるリスクの可視化を実施し、最適な移行方法を見いだしていくことが、クラウド化の成功を大きく左右するのである。
セキュアかつコスト低減を実現したクラウドマイグレーション事例
システムズでは、マイグレーション技術の応用により、新規開発を最小限に抑えた基幹システムのクラウド化を数多く成功させている。いくつかの例を紹介したい。
最初の事例は、北海道の自治体クラウド開発実証事業で、自治体の情報システムを集約して共同利用を推進し、コスト削減・業務効率改善、ひいては住民サービスの向上を目指して行われたものだ(図1)。当社は、大型汎用機で稼働していた道教育庁の人事システムを、自治体クラウドの共通基盤上で動作するWindows 2008 Server/VMware上の環境に移行した。OSS(オープンソースソフトウェア)を活用し、既存資産も活用しながら基幹システムのクラウド化を実現している。
もう一例は、大手機械メーカーが、脱汎用機によるTCO削減を目指し、20年以上運用して保守費の負担も大きくなっていた既存システムから脱却、WindowsServerベースのパブリッククラウド基盤に移行したものである(図2)。データセンターにクラウド型サービスを活用して構築し、セキュアな環境、各事業拠点からのアクセス、迅速なリソースの増減などを実現している。
クラウドへの移行はいまや、多くの企業が企業競争力の向上のために重要なテーマだと捉えている。今後は、エンタープライズ系のクラウド移行が本格化し、ERP(統合基幹業務システム)のクラウド移行も増えてくるだろう。当社では、ERPのマイグレーションにも実績を持っているが、すべてをマイグレーションするのではなく、パッケージとの効率的な棲み分けを実現する「部分マイグレーション」という選択肢もあることを強調しておきたい。
レガシーシステムのクラウド化は企業にさまざまなメリットをもたらすことになるであろうが、同時にさまざまな落とし穴も存在する。40年を超えるシステム構築のスキルとノウハウを持つシステムズは、こうした技術的課題の抽出、不具合発生の予測と対策検討等のリスク管理も含め、高品質なクラウド化マイグレーションをトータルで支援していく。
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