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セミナーレポート
「既存システムの分析から見えてくるマイグレーション活用セミナー」を開催〜 “PoC”で明確になる最適・確実な移行方法 〜 システムズは5月29日(木)、東京・品川区の本社セミナールームで「既存システムの分析から見えてくるマイグレーション活用セミナー」を開催しました。初夏を思わせるような汗ばむ陽気の中、多数のご来場をいただきましたことを改めて御礼申し上げます。 レガシーシステムの保守を行える人材の確保や、ベンダからの十分なサポートを受けることなどが年々難しくなる中、多くの企業で「ホスト撤廃」への取り組みが行われています。しかし、オープン化の流れが明らかな一方で、現在も稼働を続けるレガシーシステムが多数存在する背景として、そのようなシステムは移行の技術的難度が高い、規模が大きい、あるいは移行リスクが計り知れないといった理由で、「移行したくても残さざるを得ない」状況に陥っているものと考えられます。 システムズでは、既存システムの機能には手を加えず、プログラムの言語を書き換えることでレガシー資産をオープンプラットフォームに移し替える「リライト」型のマイグレーションを提供していますが、システム移行で苦労をされているお客様からは「そのような手法を自社のシステムで本当に適用可能なのか」「移行に際するリスクはないのか」といった懸念を抱かれるかもしれません。そこで今回のセミナーでは、最適な移行方法を見極め、それが実現可能なものであることを客観的に知るための「PoC」(Proof of Concept、概念実証)と呼ばれるプロセスをご紹介しました。 数あるシステム移行手法、どれを採用すべきか マイグレーション事業本部 担当部長 中本周志 セミナーは大きく分けて(1)概論、(2)PoCの理論と実践、(3)事例紹介の全3セッション構成とし、第1・第2セッションは当社マイグレーション事業本部担当部長の中本周志が担当。まず第1セッションでは、他方式に対するリライト型マイグレーションの特徴などをご説明しました。 レガシーマイグレーションは当社以外にもさまざまなベンダから提供されていますが、各社が採る手法は、エミュレータや仮想化技術を活用して現行資産をそのまま新環境へ移行する「リホスト」型から、業務プロセスを再構築しシステムを作り直す「リビルド」型までさまざまです。それらの手法に対して当社が手がけるリライト型は、既存システムの機能を継承するため新たな要件定義が不要で、一から再開発するよりも期間・コスト・リスクを小さく抑えられるのが特徴です。さらに、エミュレータの利用とは異なり、システムをモダンなアーキテクチャに更改できるので、保守・拡張性の向上などレガシーマイグレーションのメリットを大きく享受することが可能です。 しかし、レガシーマイグレーションはひとつの企業内で頻繁に発生するプロジェクトではないので、移行に関しての知識や経験が社内に蓄積されにくいという特性があります。このため、各マイグレーションベンダーから提案される手法のどれを採用すべきかユーザー企業側では判断が難しく、費用や期間についても見積りの妥当性を評価しにくい傾向にあります。 このような場合に有効なのが、PoCの実施です。PoCはまだあまり耳慣れない用語かもしれませんが、ある概念が実現可能なことを提示するために行われるデモや試作のことを意味します。ここでは、お客様のレガシーシステムでリライト型のマイグレーションが可能であることを示すため、システムに含まれるIT資産を調査し、一部のプログラムについて実際に変換作業およびテストを実施、移行実現性やコスト等を検証するプロセスを指しています。 マイグレーションPoCの実施環境を社内に用意 この日のセミナーの第2セッションでは、PoCの実施方法を当社の中本より具体的にご紹介しました。以前より当社では、「IT資産の棚卸し」がマイグレーションにおける最重要ポイントのひとつであるとご説明してきましたが、PoCにおいても現行のレガシーシステム上にどのようなプログラムが存在し、新環境に移行する必要のない非使用プログラム、重複プログラムなどが含まれていないか、有効資産をドキュメント化する作業から始まります。その後、移行対象資産を分析し、移行前後でどのようにプログラムが変わるかをパターン化し、パターン毎に変換方法を検討します。 レガシーマイグレーションプロジェクトにおけるPoCの概要 本番のマイグレーションプロジェクトではこの後変換の実作業に入るわけですが、PoCは移行の実現性を確かめるのが目的ですので、資産の一部をサンプルとして変換を行い、現行プログラムとの動作を比較検証します。このような一連のトライアルを経ることで、移行に必要な工数をより正確に算出することができ、対象資産全体の移行に必要なコストや期間を明らかにできるほか、想定される技術的なリスクを事前に洗い出すことが可能となります。 PoCの実施にあたっては、お客様のIT資産を一時的にお預かりする形となりますが、システムズではPoCを行うために、外部と切り離された独立ネットワークや、関係者以外の立ち入りを禁止する専用ルームなどを社内にご用意することが可能です。 PoCの成果は実施結果報告書の形でご提出し、他ベンダから提案される移行方法との比較検討に役立てることができます。PoCの結果、もしシステムズにご用命いただくことになった場合は、PoCで行った棚卸し結果、移行方法の設計などを本移行でそのまま使用し、迅速にマイグレーションを進めます。 当社では、得意とするリライト型のマイグレーションを主に検討しますが、検証の結果によってはエミュレータなどリホスト型の併用や、プログラムの言語ごとに異なる手法を適用するなど、他ベンダやコンサルタントとも協業しながら柔軟な体制を組むこともできます。PoCを実施することで、移行に伴うリスクを低減しつつ、お客様のニーズや課題に対応できるベストな移行方法が選択可能となります。 短期案件が増加中、クラウド利用の意向も高い 開発事業本部 マイグレーショングループ プロジェクトマネージャー 大島理史 セミナーの第3セッションでは、当社開発事業本部マイグレーショングループでプロジェクトマネージャーを務める大島理史より、本番稼働を迎えたばかりの最新プロジェクトを含むさまざまなマイグレーション事例をご紹介しました。 最近の傾向として、ベンダのサポート切れが迫るなど切羽詰まった事情でご相談をいただくケースが増えており、早いものでは着手からわずか8カ月で本番稼働に至るなど、短期間での移行を行う例が多くなっています。また、レガシー資産の移行先として、データセンター上のクラウド環境の利用が広がっています。クラウド技術はシステム移行にも極めて有用で、作業の進行に応じてディスク容量などのリソースを順次追加することでコスト効率を高められるほか、ユーザー、保守ベンダ、当社といった関係者の拠点が分散している場合にもそれぞれが安全にアクセスできる仕組みが整えられているなど、マイグレーションプロジェクトにも多くのメリットがあります。 また、マイグレーションは新規開発案件と異なり、現行システムの機能を新環境でも保障するという考え方が出発点となります。このため、既存のシステムの中身を一番よく知っているユーザー企業の協力が不可欠で、その性質上テストデータの作成などもユーザー企業側のシステム部門が主担当となって行う形になります。しかし、過度のご心配をいただく必要はありません。システムズでは、着手前にお客様に担当いただく作業をリスト化し、工程ごとに内容・分量を確認しながらプロジェクトを進行するほか、可能な限り支援もさせていただきます。 冒頭で述べたように、現在残っているレガシーシステムは移行に関して何かしらの困難を抱えているものが多いと思われますが、当社では規模の大小やプラットフォームの種類を問わず、マイグレーションの実績を多数有しております。ホスト撤廃に関してお悩みの方はお気軽にご相談をいただければ幸いです。 |
プログラム
14:00 | 【受付開始】 |
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14:30 | オープニング(ご挨拶/当日のアジェンダ紹介) |
14:35〜15:35 | レガシーシステム再構築で適用されるマイグレーションとは?
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< 休憩 > | |
15:45〜16:15 | システム再構築コンセプト実証(PoC) de マイグレーション・アプローチ 〜 既存システムを分析するコツは、棚卸しからスタート 〜
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16:15〜17:00 | 最新システム移行の現場から見えてくるマイグレーション適用事例 〜マイグレーション プロマネが語るプロジェクトマネジメント〜
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17:00〜 | 質疑応答/マイグレーション(システム再構築)に関するご相談 等承り |
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株式会社システムズ 開発事業本部 (システムズのホームページはこちら→)
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