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セミナーレポート
ITモダナイゼーションで実践!最後のホストレガシーシステム刷新~IT基盤改革の取り組み方をモダナイゼーション最新動向と事例で解説~システムズは、7月6日(金)に東京・品川区のシステムズ本社セミナールームにて、「ITモダナイゼーションで実践! 最後のホストレガシーシステム刷新」と題したセミナーを開催しました。今回のセミナーでは特別講演としてアクセンチュア社を招き、『日本企業におけるレガシーシステムのモダナイゼーションのポイント 「理解不足」と「無謀な計画」が失敗の主な理由』という演題で講演を行い、後半はシステムズのホストモダナイゼーションの概要と事例に関するセッションという2部構成で実施しました。小雨降るあいにくの天気ではありましたが、今回も沢山の受講者にお越しいただき盛況裡に終了することができました。改めてお礼申し上げます。 開発事業本部 中本周志 最初に挨拶として開発事業本部 中本周志が「来年創業50周年を迎えるシステムズは、25年ほど前からマイグレーションの世界でポジションを築いており、ホスト系を中心とした大型汎用機の移行、そしてWindows系を中心としたオープンレガシーのリライト型マイグレーションで実績があるベンダーである」とシステムズの主な業務内容を簡単に説明し、本セミナーのスタートとなりました。 セッション1ではアクセンチュア株式会社 テクノロジーコンサルティング本部 テクノロジーアーキテクチャグループ アソシエイト・ディレクターの中野恭秀氏によるパートナー講演を行いました。「2007年には上位5社が占めていた携帯電話が2015年にはアップル社が9割を占めたように、数年で劇的に変化する世の中で勝ち残るためには企画やアフターサービスに重きを置いた伝統的な価値観だけでは厳しい。デジタル時代は従来の価値にプラスして便利なサービスやユーザー体験などソフト面にシフトしていく必要がある。また、クラウドベースのシステムが当たり前の企業が短期間で急成長する中、従来のメインフレーム型での競争は難しく、ソフトウェア主導の高速ビジネスが求められる」と語り、具体的な事例として、センサーを装着したタイヤを提供し、走行距離に合わせた請求や、燃料消費量を削減する運転の提案を実現したことで、タイヤを売る企業からタイヤを媒体としてより効率の良い走行サービス(Tire as a Service)を提供する企業へと変革したフランスのタイヤメーカー「ミシュラン」を紹介しました。 アクセンチュア株式会社 中野恭秀 氏 一方、今回のテーマである日本でモダナイゼーションが成功しない理由として、日本型基幹システムの混在、現行仕様の担保や機能の統廃合などの無謀なモダナイゼーション計画の2点を挙げ、日本型のモダナイゼーションは欧米型に比べ移行が難しいことを指摘しました。 「アクセンチュアでは、開発と運用が協力するシステムDevOpsによるテストの自動化により、既存アプリケーションが書かれているCOBOLを短時間で高品位に移行できる」と中野氏は強調し、豊富な実績をベースに日本企業ならではの難しい部分においてはシステムズをはじめとしたベンダーと協力しながら進めていると語り、セッション1は終了しました。 ↓↓今回のセミナー講演に関連する、株式会社アクセンチュアのWebサイトはこちらをご覧ください↓↓ 次のセッションでは、開発事業本部 中本周志によるホストレガシーモダナイゼーションの「概要編」として『ホストレガシー資産を活用!リライト型「モダナイゼーションのススメ方」と題して講演を行いました。 まず最初に、高齢化・退職などによるシステムを理解する要員の不足、システムのブラックボックス化、プログラムのスパゲッティ化などさまざまな理由により塩漬けとなってしまったシステムの解決策として9つのマイグレーション手法を紹介しました。「システムズでは備準的モダナイゼーションであるリドキュメントやリファクターでシステムをしっかりと可視化した上での中核的モダナイゼーションを進めている」と語り、さらに、古いシステムを活かしたい、本当は新しく作り直したいが開発費用捻出や移行期間の確保が厳しい、既存資産を使いたいがオープン環境やクラウド環境に同じ言語が無いといった課題には中核的モダナイゼーションの中でもリライトが向いていると強調しました。さらに、具体的なリライト手法によるモダナイゼーションの例として、当社の変換ツールを使ったCOBOL to JAVAの変換デモも披露しました。 変換ツールデモンストレーション また、リライト型モダナイゼーションを実施する上でお客様が考慮すべき点として、マイグレーション工程の中で変換のみ対応するベンダーもいれば、システムズのように比較検証テストまで行うベンダーもいる。内容によって見積金額が大きく違うということを理解し、何をどこまでやるかを把握した上で依頼することが大事であると話し、システムズならではのリライトフローの説明や、リライトサービスの拡充としてRPGからJavaへ変換移行するAS400モダナイゼーションサービスを現在進めていることも語りました。 最後に、モダナイゼーションを行うことによる運用コストダウンや、開発コストの削減、再構築機関の短縮化といったさまざまなメリットと、モダナイゼーションの手法選択時には目的とリスクをきちんと把握する必要性、ステークホルダー説得の重要性など、マイグレーションを行う上で欠かせないポイントを解説しセッション2は終了しました。 開発事業本部 山田浩行 最後のセッションでは、ホストレガシーモダナイゼーション「事例編」として「プロマネが解説!移行事例でわかるモダナイゼーションの勘所」について開発事業本部 山田浩行が担当しました。 「システムズは1995年からマイグレーション業務を行っているが、2008年くらいからITモダナイゼーションという流れが生まれ、今あるものを新しいプラットフォームに移行するという考えだけでなく、今後のビジネスの発展につなげるような流れも担うようになってきている」とモダナイゼーションのトレンドを説明し、システムズが採用しているリライトの特長として「お客様がお持ちの言語や資産を分析し、新しい変換仕様を起こす、といった手法をとっているため、移行先が持っていない異言語に対しても対応でき、また、設計した変換仕様に応じた変換ツールのアドオン・カスタマイズを行うため異言語の変換も実現できる」と強調しました。 さらに、異言語マイグレーションの具体的な事例として、過去にQ言語からの脱却を目指しスクラッチも含めて検討実証を進めたが成功しなかった大手建設会社のマイグレーションを紹介しました。移行の検証や資産の分析には約半年を費やし、品質の確保をとりながら移行フェーズを分割して行いリスクを分散した結果、トータルコストの削減、処理性能の向上、外部システムの統一などを実現しました。その他、大手製造業による脱汎用機およびNATURALからの脱却、大手製造業のSAP未対応部分のマイグレーションなど、多岐に渡るマイグレーション成功事例を取り上げ、マイグレーション成功にはユーザー、現行保守、マイグレーションベンダーの3者の連携および協力の必要性を説きました。 マイグレーションのポイント 次に実際にプロジェクトを推進する際のポイントとして、お客様の作業工数および作業環境の把握、移行後の保守体制の事前計画、計画外のコスト増加の抑制、比較検証テストの必要性など経験者ならではの対応策を提案し、一方で文字コード、コンパイラ間の非互換、データ移行、運用、帳票、データベース、といった技術面で起こりうる点についても触れ、最後のセッションは終了となりました。 講演終了後にはアクセンチュア株式会社の中野氏をはじめとしたセッション担当者による質疑応答の時間を設け、参加者の疑問や相談に対して丁寧にフォローしました。 質問に答えるセッション担当者 また、質疑応答後、それぞれのプロジェクトマネージャーや担当者などが同席し、受講者からの質問や相談に個別に応対させていただきました。今回参加いただけなかった方、また今回のセミナーの内容にご興味をお持ちの方は、お気軽に当社までお問い合わせください。 |
プログラム
14:00 | 受付開始 |
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14:30 | オープニング(ご挨拶/当日のアジェンダ紹介) |
14:40〜15:30 | <session1> 特別講演 日本企業におけるレガシーシステムのモダナイゼーションのポイント
基幹システムの心臓部として保守運用されてきたレガシー化したシステムが老朽化していく現状を見過ごしていては、ますます加速する経営環境の変化のスピードに対応できません。基幹システムの移行をいかに行い、経営課題の解決を支援する最新テクノロジーをどう取り入れていくべきか、モダナイゼーションの最新アプローチを紹介します。 アクセンチュア株式会社 |
【休 憩】 | |
15:40〜16:20 | <session2> ホストレガシーモダナイゼーション「概要編」 ホストレガシー資産を活用!リライト型「モダナイゼーションのススメ方」
基幹システムの心臓部として保守運用されてきたレガシー化したシステムが老朽化していく現状を見過ごしていては、ますます加速する経営環境の変化のスピードに対応できません。基幹システムの移行をいかに行い、経営課題の解決を支援する最新テクノロジーをどう取り入れていくべきか、モダナイゼーションの最新アプローチを紹介します。 ・汎用機やオフコンのレガシー問題の現状 開発事業本部 |
16:20〜17:00 | <session3> ホストレガシーモダナイゼーション「事例編」 プロマネが解説! 移行事例でわかるモダナイゼーションの勘所
汎用機やオフコンなどレガシーシステムの撤廃から最新IT基盤への移行事例を紹介し、現場のプロマネの視点で、その成功の要因や注意すべきポイントなどを解説します。 ・レガシー化した異言語資産の移行事例 開発事業本部 |
16:50 | 質疑応答/モダナイゼーションに関する個別ご相談など |
■セミナーに関するお問い合わせ
株式会社システムズ 開発事業本部 (システムズのホームページはこちら→)
TEL 03-3493-0032(ダイヤルイン)
受付時間 9:00〜17:45(土・日・祝日を除く)
FAX 03-3493-2033(24時間受付)