「デジタルトランスフォーメーション推進の選択肢、
ホストレガシーモダナイゼーション活用シナリオ」を開催
老朽化した汎用機・AS/400のDX対応策を厳選パートナーのソリューションと事例で紹介
システムズは、2月22日(金)に東京・品川区のシステムズ本社セミナールームで、「デジタルトランスフォーメーション推進の選択肢、ホストレガシーモダナイゼーション活用シナリオ ~老朽化した汎用機・AS/400のDX対応策を厳選パートナーのソリューションと事例で紹介~」というテーマでセミナーを開催しました。多くの方に事前登録をいただき、盛況裡に終わることができました。
AI、IoT、ビッグデータなどの先端技術を活用してデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現しようとする企業が増えている一方で、多くの企業では依然として、簡単に入れ替えられない旧式のシステムのレガシー化が進んでいます。複雑化、ブラックボックス化したシステムは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を遂行する上での課題となっています。今回のセミナーは、DXとレガシーモダナイゼーションをキーワードに、当社が厳選したパートナー2社を招き、最新動向や事例などを紹介したものです。
司会・進行を担当した
当社の中本周志
開催に当たって、当社の事業推進室 マーケティング・ディレクターの中本周志から、当社のモダナイゼーションについて、メインフレームとオープン環境の2本軸で展開、リライト手法を採用、国内外で18の特許を取得、強力なビジネスパートナーと連携・協業、AIやRPAなど活動領域も拡大中、といった紹介がありました。
最初のセッションを担当した
当社の山田浩行
セッションのトップバッターは当社のマイグレーショングループ・プロジェクトマネージャーの山田浩行による「デジタルトランスフォーメーション時代のホストレガシーモダナイゼーション」。まず、DXの定義や、DXが注目される背景などに触れ、「従来の守り(管理中心)から攻め(ビジネス拡大)のITへの適用拡大がポイントとなるDXの実現により、顧客や市場の変化、デジタル技術への柔軟・迅速な対応を図ることができ、実質GDP130兆円超の押し上げが期待されている」と述べました。
また、DXを阻害する課題についても言及し、中でも「既存システムのレガシー化は、調査では67.2%の企業が足かせだと感じている」とし、「2025年の崖問題を脱却してDX推進を加速するには、ブラックボックス化したレガシーシステムの新たなIT基盤への刷新が必要だ」と強調しました。
この後、システム刷新への移行アプローチを紹介、塩漬け領域なモダナイゼーションが必要な理由などを、当社の事例を交えながら解説しながら、「システム刷新は、目的やリスクを考慮して機能とシステム別に方針を決定することが大切だ」と述べました。続いて当社が採用しているリライト手法についても触れ、資産棚卸、移行性検証、変換といった段階ごとのポイントや、期間・コストの違いなども明確にしながら当社独自のアプローチを紹介し、最初のセッションを終えました。
パートナー2社がDXやシステム刷新を解説
パクテラ・テクノロジー・ジャパンの
山田隆信氏
後半は、パートナー企業のセッションが2つ行われました。最初に登壇したのは、「脱 AS/400に向けたユーザ各社の取組みと移行後の展望」というテーマで講演したパクテラ・テクノロジー・ジャパン株式会社 新規事業開発本部 執行役員の山田隆信氏で、同社が全世界で27,000人以上の従業員を擁する中国最大のグローバル顧客向けサービス企業であること、欧米とAPAC顧客の売上は約50:50であり、テクノロジー、金融、製造・流通など広範な分野に顧客を持つこと、日本向けにはITサービスを中心にR&DやBPOサービスも提供していることなど、同社の事業概要紹介があり、近年のビジネスの約半数がDX系だとも述べました。
続いて、山田氏は、同社が豊富な実績を誇るAS/400のマイグレーションについて、AS/400の稼働状況、JAVA系システムに移行するユーザの現状、開発・メンテナンス要員の不足などの課題などについて説明しました。この後、「ストレートコンバージョンが思ったほど低コストではないのはなぜか」という話題に移り、オープン化のアプローチ手法を比較しながら、テスト工程の内容によってコストが異なることを強調しました。この点に関して、同社のプロジェクトのロードマッププロセスを紹介しながら、AS/400のパフォーマンス改善には予想外にコストの積み上げが必要であること、また、テストシナリオの作成のような業務知識を必要とする作業工程をベンダ任せにするとスクラッチ開発以上のコストがかかることにもなり、発注者側で実施することでコスト削減を図ることができる、といったポイントを解説。最後に、同社が行う導入後の教育プランを紹介して、次の講演者にマイクを渡しました。
日立ソリューションズ・クリエイトの
平八重賢裕氏
次のパートナーセッションを担当したのは、株式会社日立ソリューションズ・クリエイト 産業・流通システム事業部 第1ソリューション本部 第1部 主任技師の平八重賢裕氏で、演題は「ホストマイグレーション成功の秘訣とオープン化後のレガシーシステム」です。平八重氏は、同社の金融、産業・流通、社会・公共分野および全業種共通のソリューションを紹介した後、「日立製メインフレームを中心にモダナイゼーションでは53社の実績がある」と話しました。
平八重氏がモダナイゼーションを成功させるポイントとして最初に挙げたのが、計画立案、移行準備など上流工程の重要性です。業務仕様も変わらないし、移行だから失敗はないだろうというユーザの認識と、要件はヒアリンクですべて出してもらえるというベンダの認識のずれについて指摘し、上流工程で十分な検討を行わなければ、テスト工程で手戻りが発生したり開発コスト・期間に影響を及ぼしたりすることになる、と警鐘を鳴らしました。また、互いの誤解が生じる要因として、現行調査と要件定義の難しさを挙げ、実際にバッチジョブのクラス制御の見落としや外部(周辺)システムとの連携処理の見落としがトラブルに繋がった事例を紹介しました。
モダナイゼーションを成功させるポイントは、上流工程の役割を見直し、設計のあいまい性をなくすことであるとし、資産分析とパイロット検証それぞれのポイントを解説、また、オープン化して10年を経過したシステムの成功・失敗例や、モダナイゼーション後の取り組みにも触れた平八重氏は、「モダナイゼーションはシステム再構築の有効な選択肢であるが、その上で大切なのは、システム再構築後に“事業発展に貢献できるシステム”にしていくことだ」と締め括り、講演を終えました。
終了後には、講演者たちが直接、ご質問やお問い合わせに応じる相談会も行われました。
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