「デジタルトランスフォーメーション推進上の
IT課題と対応の選択肢」セミナーを開催
~「2025年の崖」までにDXを阻害する既存システム刷新に向け何から始めるべきか ~
システムズは、3月15日(金)に東京・品川区のシステムズ本社セミナールームで、「デジタルトランスフォーメーション推進上のIT課題と対応の選択肢」~“2025年の崖”までにDXを阻害する既存システム刷新に向け何から始めるべきか~ と題したプライベートセミナーを開催しました。多くの方にご参加いただき、改めてお礼申し上げます。
デジタル技術の駆使により新たな価値を創造したり、既存のビジネスプロセスを改革したりする「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の動きが活発化しています。一方で既存の業務システム、特にブラックボックス化が進むレガシーシステムをどうするのか、といった議論が経済産業省がまとめた「DXレポート」をきっかけに沸騰しています。今回のセミナーは、DXを実現していく上でDXレポートが指摘するレガシーシステムの現状とIT課題をはじめ、既存システムのブラックボックス状態解消に向けて何から着手すべきかについて、パートナー企業をゲストに迎え、紹介したものです。
司会・進行を担当した
当社の中本周志
開催に当たって、当社の事業推進室 マーケティング・ディレクターの中本周志から、当社のモダナイゼーションについて、ホストモダナイゼーションでの長年の経験に加え、最近はオープンレガシーモダナイゼーションの引き合いも活発であること、異種開発言語環境からのモダナイゼーションに多くの実績があること、国内外18の特許など技術的な強み、AIやRPAなどへの取り組みなど、当社の事業概要紹介がありました。
DXレポートの概要を解説した
当社の大島理史
今回のセミナーでは3つのセッションを用意しました。セッションとして最初に登壇したのは、当社のマイグレーショングループ・プロジェクトマネージャーの大島理史で、「レガシーシステムのモダナイゼーションを実践してきたシステムズが読み解くDXレポート」という演題で、DXレポートの概要紹介をしながらDXについて解説しました。
2018年がDX元年と言われるきっかけにもなったのが、昨年9月に経済産業省が公開したDXレポートで、企業の老朽化した既存システムの刷新を国が促すものです。「日本企業のDXが進まない原因にはブラックボックス化した既存システムの問題がある」と話した大島は、DXの実現により、IT予算比率やIT人材平均年収などに大きな変化が見られること、顧客や市場の変化への柔軟な対応、クラウド・モバイル・AIなどデジタル技術への迅速な対応などが可能となり2030年には実質GDP 130兆円の押し上げが期待されること、一方でDXが実現できない場合は、2025年以降、日本全体で毎年最大12兆円の経済損失が生じる可能性があること、といったDXレポートのポイントについて解説しました。
このあと、DXの足かせとなっている既存システムの問題を取り上げ、約8割の企業がレガシーシステムを抱えており、約7割の企業がレガシーシステムをDXの足かせだと感じている現状を解説、システム刷新には現状分析が極めて重要だと話し、次のセッションへとバトンタッチしました。
第2セッションを担当した
当社の板倉利幸
続いて、当社のマイグレーショングループ・プロジェクトマネージャーの板倉利幸が、DX推進に不可欠なICT現状分析と具体的な取り組み方法について解説しました。最初のセッションで触れたDXの足かせとなっている既存システムについて、板倉は、「マネジメント層と現場の間にギャップがある。いきなりDXを見据えてIT戦略を検討しても絵に描いた餅に終わってしまう」と強調しました。また、「DXを推進する上ではデータの利活用と既存システムの見直しが鍵となる」とし、システムズが考えるDXへの道のりを紹介しました。
プラックスボックス化が進行している既存システムの問題を解決してきたのが当社の提供するサービス「IT総合診断」です。その目的とメリットについて触れた板倉は、現状の可視化でやるべきこととして「環境」「業務/システム」「システム詳細」の可視化を挙げ、それぞれについて解説しました。また、家電量販店での取り組み事例なども紹介し、現状をしっかり分析・診断していくことはDXにも非常に有効であると結び、最後の講演者にマイクを渡しました。
NAL JAPANの
グエン・トアン・アン氏
パートナー企業を迎えての最後の講演を務めたのは、NAL GROUP co-founder、株式会社NAL JAPANのCEOであるグエン・トアン・アン氏で、最新オフショア開発事例を交えながら、DXに向けたアジャイル開発や新技術の活用や課題を紹介しました。
アン氏は、2002年に来日、同じ志を持つ仲間と2013年に起業し、2015年には日本法人を設立、2016年にはベトナムIT企業トップ50として表彰されています。基幹システムからアプリ開発、AI・IoT分野までの幅広いビジネス領域で幾多の実績を誇り、日本企業ともこれまで150社以上と取引があります。開発については、早くからアジャイル開発手法によって少ない工数で対応する手法・体制確立に取り組んできました。これが「DX対応・推進上でもメリットとなった」としています。
変化の激しいデジタルビジネス時代をどう迎えるべきか、という問題に対して、「診断&可視化」、「先進技術」、「アジャイル開発」の3つのキーワードを提示したアン氏は、同社のDXの取り組みを事例で紹介しました。大手人材派遣会社における次世代人事系システム構築の事例では、オフショアとアジャイル開発でお客様の漠然としたシステムへのイメージに柔軟に対応しています。また、新電力(電力小売りシステム)の事例では、小さな複数のシステムの統一やクラウド化、作業の自動化などを実現しています。最後に、販売物流基幹業務システムパッケージのマイグレーションとWeb化の事例を紹介し、講演を終えました。
システムズでは、ホストモダナイゼーションおよびオープンレガシーモダナイゼーションをテーマにしたプライベートセミナーを開催しています。レガシー化したシステムの再構築などを検討中の企業の皆様のご参加をお待ちしております。
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