“経済産業省「DXレポート」の解説と、
「2025年の崖」の克服”を開催
~DXを阻害するレガシーシステムをどうすればよいのか?~
システムズは4月19日(金)に東京・品川区のシステムズ本社セミナールームにて、“経済産業省「DXレポート」の解説と、「2025年の崖」の克服~DXを阻害するレガシーシステムをどうすればよいのか?~”と題したセミナーを開催しました。当日は沢山の方にお越しいただき、ほぼ満席となりました。ご参加いただいた皆様に改めてお礼申し上げます。
デジタル技術の駆使により新たな価値の創造や、既存のビジネスプロセスを改革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の動きが活発化していく中、経済産業省がまとめた「DXレポート」が既存のシステム、特にブラックボックス化が進むレガシーシステムをどうしていくべきかについてまとめています。今回のセミナーは、DXレポートが指摘するレガシーシステムの現状とIT課題、その対応策を踏まえた推進上のポイントといった2部構成で展開しました。
オープニングおよび第1セッションを
解説した当社の大島理史
開会に当たり、当社のマイグレーショングループ・プロジェクトマネージャーの大島理史が「移り変わりの激しいIT業界で50年の歴史を持つ当社は、100を超えるマイグレーション実績があり、国内外で20を超える特許を取得している。当社はホストモダナイゼーションでの経験やノウハウを生かし、オープン系でのモダナイゼーションにも数多く取り組み、現在ではAIやIRPなど新しい分野にも挑戦している」と事業内容について説明し、セッション1のテーマ「レガシーシステムのモダナイゼーションを実践してきたシステムズが読み解くDXレポート」がスタートしました。
AIやRPA、IoTなどをはじめとした新たなデジタル技術を活用し、新たな製品やサービスやビジネスモデルを生み出すデジタルトランスフォーメーション(以下DX)が今後のビジネス展開を左右すると言われています。「大きな理由として、デジタル技術により既存の企業の仕組みを破壊する“デジタル・ディスラプター”の出現が大きく、その存在から守るべく各企業もデジタル化を進めていくこと、つまり、従来の管理中心のITから、新たなビジネスの拡大につながる攻めのITへ変化していくDXが必要だ」と大島は語り、2018年がDX元年と言われるきっかけにもなった、昨年9月に経済産業省が公開したDXレポートについて解説しました。「DXを実現することで顧客や市場の変化に対応できることや、クラウドをはじめとしたデジタル技術に迅速対応できること、素早く新たな製品やサービス、ビジネスモデルを展開できるようになり、結果として2030年には日本全体で実質GDP130兆円超の押し上げが実現するが、一方でDXが実現できない場合、2025年以降に日本全体で毎年最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と警鐘を鳴らし、ITシステム「2025年の崖」と呼ばれるDXが実現できなかった場合の最悪のモデルケースを説明しました。また、DXを実現するためには新サービスの創出や既存事業の変革の前に、まずは複雑化やブラックボックス化した既存システムについて廃棄や塩漬けにするものを仕分けし、既存のシステムを刷新することが重要であると強調しました。
次に、既存システムがなぜDXの足かせになるのかについて、レガシーシステムの保守運用に人材や予算を割かれていることや、日本ではITエンジニアがベンダー企業に多いためユーザー企業にノウハウが蓄積されないためブラックボックス化しやすいことなどの理由をあげ、システム刷新の第一歩として現状分析の重要性について触れ、セッション1は終了しました。
第2セッションを担当した
当社の板倉利幸
セッション2では当社のマイグレーショングループ・プロジェクトマネージャーの板倉利幸が「DX推進に不可欠なICT現状分析 具体的な取り組み内容と活用方法とは~ IT総合診断のススメ 可視化→診断→IT戦略 ~」をテーマに展開しました。「約7割の企業が、レガシーシステムはDXの足かせになっていると感じてはいるが、維持や管理操作に追われていることが現状である。現場ではさまざまな問題を抱えており、いきなりDXを見据えたIT戦略を立てることはまず難しい。現状の整理をしっかりと行い、その課題と経営ビジョンの両方を考慮してDXと現行システムの方向性を決めていくことが必要だ」と強調しました
また、DXレポートのガイドラインにおいても、DXを進める上で既存システムの見直しは不可欠であると記載されていることに触れ、「まず現状の可視化を行い、経営の将来ビジョン、さまざまなデジタル技術や新たなサービスの情報収集などを加味した上でIT戦略を立案していくことが当社の考えるDXの道のりである」と語り、現状の可視化をサポートする当社の「IT総合診断」として当社で行っている3つの可視化について説明しました。1つ目として、どのようなハードウェアやソフトウェアを使っているか整理する環境の可視化、2つ目に社内全体の業務の流れやどのようなシステムをどのような業務で使用しているか把握し、問題点を洗い出す業務とシステムの可視化、3つ目は現行プログラムの規模や現行システムが持っている機能一覧や不具合の発生状況などを整理するシステム詳細の可視化です。さらに、この3つの可視化の具体例について、ITサービス業、化粧品通信販売会社、計測機器の保守サービス業などさまざまな業種の取り組み事例をデモンストレーションも交えながら紹介し講演を終えました。
セッション終了後、セミナー参加者への質問コーナーを設けたところ、DXをメインにした多くの質問が寄せられ、改めてDXというキーワードに対する参加者の関心の高さを感じることができました。質疑応答後はそれぞれのプロジェクトマネージャーや担当者などが同席し、受講者からの質問や相談に個別でも応対させていただきました。
今回は残念ながら都合のつかなかった方や、今回のセミナーの内容に興味を持たれた方は、ぜひ、当社までお気軽にお問い合わせください。
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