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セミナーレポート
「Win7/Win2008のサポート終了、Win10ではサポートされないVBアプリをどうするか」を開催~ブラックボックス化、担当者不在、セキュリティリスクなど、マイグレーションの課題と対策~システムズは5月28日(火)に東京・港区のAP品川にて、「Win7/Win2008のサポート終了、Win10ではサポートされないVBアプリをどうするか」~ブラックボックス化、担当者不在、セキュリティリスクなど、マイグレーションの課題と対策~と題したセミナーを開催しました。Windows7とWindows Server 2008のサポート終了まで約半年となり、最新バージョンでサポートされないVBレガシー資産のモダナイゼーションは急務となっている中、今回のセミナーでは資産の可視化の重要性について、そしてVBアプリの変換・移行の際の注意点から最新事情まで幅広いテーマを紹介しました。小雨降るあいにくの天気ではありましたが、今回も沢山の受講者にお越しいただき盛況裡に終了することができました。改めてお礼申し上げます。 オープニング及び 第1セッションを解説した 当社の石川嘉士 開会に当たり、当社の開発事業本部ソリューション開発グループチームリーダーの石川嘉士より開会の挨拶があり、「システムズは今期で50年を迎える長い歴史があり、モダナイゼーションのベンダーとしても20年のノウハウがある。事業内容としては、コンサルティングに近いサービスであるIT総合診断を筆頭とし、モダナイゼーションとソフトウェア開発を主軸にIT基盤の継続的進化を支えるサービスも提供しており、最近ではAIの研究やRPAにも着手している」と事業概要について簡単に説明しました。また、本題に入る前に石川は「社内でオープン系のモダナイゼーションを行う場合やベンダーに依頼する場合、どれほどの手間とリスクを伴うかをしっかりと理解することが大切だ」と担当者本人がさまざまなベンダーとしっかりと渡り合える基礎知識を持つことの重要性について説き、セッション1のテーマ「Windows7 & Windows Server 2008サポート終了対策 はじめの一歩 VBレガシー資産再構築を進めるには既存資産の可視化から」がスタートしました。 昨年から活発化している動きである「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは、企業が変化の激しい現代社会に対応しながら内部の変革を進め、競争上の優位性を確立することを意味します。経済産業省のDXレポートによる推進シナリオには、2025年までに複雑化・ブラックボックス化した既存システムについて廃棄や塩漬けにするものを仕分けし、必要なものについては刷新しつつDXを実現すると記されており、一方で2025年までにDXが実現できない場合は日本全体で毎年最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると警鐘を鳴らしています。この最悪のモデルケースであるITシステム「2025年の崖」を引き起こさないためにも、既存システムや現行業務の可視化が重要となると石川は説明し、「資産の可視化に経営的な環境変化や将来のビジョン、新しい技術の収集などを加味し診断分析を行った上でのIT戦略案を立てることが望ましい」と当社が提案しているDXビジネスフローを紹介しました。 次に本題に移り、VBモダナイゼーションを成功するためには、資産の正確な情報や規模を知り、現状を可視化する「資産の棚卸」を必ず実行してほしいと強調しました。さらに、法制度で決められていることや外部システムの連携といった「変えられないもの」、言語やデータベースなど「変えていいもの」の確認、そして、場合によっては一番のリスクともなりうる、OSや言語のバージョンなど「モダナイゼーションによって変わってしまうもの」をきちんと把握することも大切だと説明し、一方で攻めのIT投資に欠かせない要素に経営者の関与を挙げ、現場の問題を経営層が共有し理解するためにも現場課題の可視化も重要であると伝えました。 石川はこのような現場の可視化を支援するサービスとして、当社のIT総合診断を紹介しました。「IT総合診断で現場の現状をしっかり分析・診断していけば、実現可能なIT戦略計画を練ることができる。実は、最初に話した当社が提案しているDXビジネスフローもこの流れを踏襲している」とIT総合診断のメリットを話し、最後にIT総合診断による事例として、当社の診断により有効資産が半分程度であることが判明し、モダナイゼーションの見積金額も半分になったITサービス企業、当社の診断によりランニングコストが大幅に下がった不動産仲介業者、VB6.0のモダナイゼーション費用を減額できることが判明した印刷会社の例などを紹介しセッション1は終了しました。 第2セッションを担当した 当社の板倉利幸 セッション2では当社の開発事業本部ソリューション開発グループプロジェクトマネージャーの板倉利幸が、「迫る!Windows7 & Windows Server 2008 サポート終了 やるなら今!VB6.0アプリ資産モダナイゼーションの進め方」をテーマに展開しました。 「Windows7 & Windows Server 2008 サポート終了まであと半年となり、ここ2年ほどは多くのお客様から相談を受けているが、その中で最も多いものがVB6.0アプリの移行となっている。本来はWindows Server 2003のサポート終了時にVBモダナイゼーションの需要の波が高くなるのではないかと予想していた。しかし、Windows7で何とか使えていた経緯もあり、まさに今一番多くの相談を受けているため、各企業担当の方もできるだけ早めの検討を進めて欲しい」とVBモダナイゼーションの現状を語り、VBアプリ移行の具体的なポイントを解説しました。 VB6.0のアプリは最新OSではサポートされておらず、今後保守メンテナンスを行っていく上でも扱いが非常に難しくなっているため、一刻も早くVBを最新の.NETへ移行することが重要です。しかし、最新にするためには2段階のアップグレードが必要となることや、VBと.NETとでは仕様が異なり、また、サードパーティ製品では大きな仕様変更もあるため、Microsoftのアップグレードウィザードを用いた際にさまざまなプログラムエラーが発生してしまいます。 板倉はこうした移行の際に起こりうるエラーをアップグレード変換ツールなどのデモを見せながら解説し、「実際にお客様からお預かりした資産の場合、数千件から数十万のエラーが出ることもあるため、当社のようなマイグレーションベンダーでは変換後のプログラムを修正する独自のツールを活用している。また、アップグレードの際に出力されない隠れた不具合も多いため、経験のあるベンダーに頼むなど、対策を考える必要がある」と語り、資産の棚卸、調査・分析、変換設計からテスト、運用など、システムズならではのモダナイゼーションアプローチや品質を確保するためのさまざまなテスト手法についてデモンストレーション形式で分かりやすく解説しました。 最後にVBモダナイゼーションの事例として、VB5.0からVB.NET 2003、VB.NET 2008と段階を経てアップグレードした人事給与システムや、Microsoftアップグレードウィザード後のエラー数が175,000もあった生産・販売管理システム、また最近の事例として、VB.NET 2003からVB.NET 2008への移行を3カ月で実現したCADデータ管理システムなど、3社の事例を紹介し講演を終了しました。 セッション終了後はセミナー参加者への質問コーナーを設けました。さまざまな質疑応答後は担当者が同席し、受講者からの質問や相談に個別でも応対させていただきました。 今回は残念ながら都合のつかなかった方や、今回のセミナーの内容に興味を持たれた方は、ぜひ、当社までお気軽にお問い合わせください。 |
プログラム
13:40 | 受付開始 |
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14:00 | セミナー開会/オープニング |
14:10〜 15:00 | < セッション1 > VBモダナイゼーション/可視化・診断編 Windows7 & Windows Server 2008サポート終了対策 はじめの一歩 会社の重要な資産である基幹システムが肥大化・複雑化したまま放置されていては、レガシーシステムのモダナイゼーションは困難です。これ以上問題を深刻化させないために、また、本格的なモダナイゼーションを進める前にやっておきたい準備的モダナイゼーション。デジタル・トランスフォーメーション(DX)を進める上でも、既存IT資産を「見える化」し、今後の最適なIT再構築におけるコスト・リスク低減のための対応策が必要です。DX実現に向けたアプローチを、「見える化」デモや適用事例を交えて解説します。 開発事業本部 ソリューション開発グループ |
15:00〜 15:50 | < セッション2 > VBモダナイゼーション/変換・移行編 迫る!Windows7 & Windows Server 2008 サポート終了 2020年のWindows7とWindows Server 2008/R2のサポート終了まで残り1年となり、特にVisual Basic6.0(VB6.0)で開発されたアプリ資産の移行対策に関するお問い合わせがますます増加しつつあります。サーバおよびクライアントOSのサポート終了で増大するセキュリティリスク、厳しい状況に追い込まれつつある開発と稼働環境、といったさまざまな課題が伴い、今後VB6.0アプリ資産をどうしていくのか? これから早急に対処しておきたいレガシー化するVBアプリ問題を、当社独自のVB変換ツールのデモも交えて分かりやすくお答えします。 開発事業本部 ソリューション開発グループ |
15:50〜 16:20 | 閉会/質疑応答、モダナイゼーションに関する個別相談など |
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