「DX推進を阻害するレガシーIT脱却に
待ったなし!」Webセミナーを開催
~ レガシーアプリとインフラ更改の実践的アプローチを紹介~
システムズは、3月26日(金)に、Webセミナー「DX推進を阻害するレガシーIT脱却に待ったなし! ~レガシーアプリとインフラ更改の実践的アプローチを紹介~」を開催しました。当社の定例マイグレーションセミナーも、新型コロナウイルス感染拡大に伴いウェビナー形式に移行して1年が経ちました。今回も多くの方に受講いただき、この場を借りてお礼申し上げます。
第1・2セッションを担当した当社の板倉利幸
セッションに先立って、当社のビジネスイノベーション本部 ビジネスプロモーション部 部長である板倉利幸から、当社の事業について簡単に紹介させていただきました。25年の実績を誇るマイグレーションビジネスの開始から現在までの歴史や動向、6つの事業領域などについて解説、「単なるシステム移行だけでなく、現状の可視化から新たな価値の創造までをトータルで提供している」と話しました。
続いて、最初のセッション、「VBアプリシステムの現役続行リスクと、成功事例に学ぶ VB6.0から.NETへの変換移行という選択肢」がスタートしました。引き続きマイクを握った板倉は、ハードの老朽化、困難な要員確保、セキュリティリスクの増大、システムのブラックボックス化といった課題がお客様から当社に寄せられている現状を伝えました。また、DXに関する意識調査で、約7割の企業が「レガシーシステムがDXの足かせになっている」と回答したことに触れた後、受講者にレガシーシステムの状況に関するリアルタイムアンケートを実施したところ、「レガシーシステムが存在している」との回答が7割を占めました。
では、レガシーシステムをどのように改修していくべきか。板倉は、まずは現状を整理して、会社の将来ビジョンなども考慮したロードマップを作成、必要に応じて新規デジタルサービスの構築、既存システムの活用、他社サービスの活用、既存業務・システムの廃棄などを進めていくことか必要だと強調しました。具体的な取り組み方法については、「4月9日のセミナーで次期IT計画などにも触れて紹介したい」と予告しました。
この後、アプリケーションの移行方法として、VB6からのアップグレードについて解説、Microsoftのアップグレードウィザードでの変換デモを紹介しながら、アップグレードウィザードやエラーやワーニングのレポートには出力されない隠れた不具合についても実例を挙げて紹介しました。
この後、可視化から変換設計、比較検証テスト、運用保守までの当社のマイグレーションの流れを紹介。この中で、棚卸により現状のプログラム資産の可視化を行い、不要プログラムの削除や共通プログラムの整理を行うことの重要性を改めて強調しました。また、調査・分析フェーズにおけるパターン化についても詳しく解説しました。比較検証テストに関しては、「もぐらたたきのテストでは品質の低下を招くし、すべてを単体テストすればコスト増の要因となる。パターン化により品質を維持しながら、コストを抑える工夫をしている」と強調しました。
また、当社のマイグレーションサービスについて、「移行して終わりではなく、お客様の状況に合わせて機能のカスタマイズを行い、生産性向上のための改善などを含めた新たな価値を提供している」と話しました。最後に、2000 Kステップを超える大型基幹システムをAWSに移行した企業のVBアプリの移行事例を紹介し、最初のセッションを終了しました。
2つめのセッションは、「クラウド化がDX推進強化に! VB6.0からASP.NET移行によるWebアプリ化という選択肢」という演題です。引き続き担当した板倉は、「このところWeb化のご相談が増えている。要因として、コロナ禍における働き方改革の推進が考えられる。こうしたニーズを受けてこのセッションをお届けしたい」と話してセッションに入りました。まず、コロナ対策で働き方の変化が進んでおり、今後はさらに柔軟な働き方が求められること、経営投資の判断軸も変化していると同時に、情報システム部門の役割も、これまでのシステムの維持保守から働きやすい環境整備やDXの検討・推進へと変わっていくであろうことなどを説明、「とはいえ、まだまだ保守的な役割が多く残っているし、システムは老朽化が進み、属人化が進んで保守要員も限られるなど課題は多い」と指摘しました。また、「変化に強い環境構築の1つの対応策としてサーバをクラウドに移行することが考えられる」と話しつつ「単にクラウド化するだけでは問題が多い」と話し、マネージドサービスの活用の重要性を示唆しました。
この後、「Web化のメリット」を紹介。情報システム部門がクライアントセットアップから解放されることやユーザーからの個別問い合わせ件数が削減されることなどを挙げ、システム改修やリリースのしやすさが向上することでユーザーの作業効率も向上する、と話しました。また、移行手法についても触れ、どのようにサーバ側とクライアント側を分けるか、性能要求によっての対応の違いや、DB接続しているイベントかどうかの判断・処理について解説しました。
最後に、システムズのクラウドマイグレーションの価値として、「システムの現状分析と可視化・最適化」、「一気通貫の包括的マイグレーション」、「パートナーと連携したサービス提供」の3点について解説し、2つめのセッションを終えました。
グラナートアレンジメントの市村統 氏
「DX時代の快適なネットワークに必要なのは業務用Wi-Fiの利活用~Withコロナ時代の導入パターンを解説~」という演題で行われた最後のセッションは、ゲスト講師として株式会社グラナートアレンジメント 代表取締役の市村統氏を招いてお届けしました。
市村氏は「ワーケーションの需要が高まっており、必要な設備としてWi-Fiの相談が増えている」と前置きし、屋外でテントを張る顧客向けにWi-Fiサービスが提供できないかという現場の声から生まれた「キャンプWi-Fi」、つまり、防風防塵をした屋外専用のWi-Fi構築サービスについて、ニーズの生まれた背景と概要を解説しました。
市村氏は、導入パターンを大きく3つに分けて解説、まず、すべての機器を無線で中継する1つめのパターンを解説しました。下図では一番右際に元回線が来ており、300m離れた店舗を中継にして、さらに800m離れた店舗に接続するというメッシュWi-Fiで広範囲をカバーできます。配線工事の必要がなくコスト負担が低減できる点や、有線よりスピードが減衰してしまう点などメリットやデメリットも挙げました。
続いて、有線と無線を組み合わせたパターンや、すべてを有線で中継するパターンも解説、「パターン1が最も工事費用が安価だが、予算に余裕があれば、パターン3がどのエリアでも同じ快適性を担保でき、ミッションクリティカルな業務や教育現場などに適している」と話しました。
市村氏は、中継機器の選択のしかたについても紹介、大型店舗など広い場所で不特定多数の人が利用することを想定して設計され、かつ屋外用に防水防塵対応している業務用機器を推奨したい、と強調しました。また、これら業務用機器の価格帯などについても紹介し、設備投資関連の助成金活用などについても触れ、講演を終了しました。
当社の吉田昌樹
ここで、3番目のセッションで司会・進行を務めた当社のビジネスイノベーション本部 ビジネスイノベーション部 パートナー推進担当部長の吉田昌樹が、グラナートアレンジメントに相談・解決したシステムズの社内Wi-Fi環境について紹介を行いました。つながりにくい、よく切れる、通信が遅い、ノートPCを運ぶとつながらなくなる、といった課題に対し、システムズでは当初、無線機器を増やせばいいと考えていました。
これに対し、内村氏は、逆にWi-Fi機器が多すぎてローミングが働かず、範囲が重なるエリアでどちらに繋いでいいのか分からないためタイムラグが発生していた、金属パーテーションで区切られている壁面裏の部屋まできちんと電波が届いていなかった、という2つの原因を挙げ、ヒートマップを用いて解説しました。
吉田は、「2台のWi-Fi機の停止、設置個所の見直し、出力パワー低減によるWi-Fiエリア縮小といった対策を取ることで、機器の入れ替えをすることなく課題を改善できた」と話し、今後のさらなる改善案についても言及し、セッションを終了しました。
セミナー終了後は、質疑応答の時間が設けられました。当社では、今後も引き続き、企業が関心を寄せている旬の話題をテーマにしたWebセミナーを実施していく予定です。4月9日には「DXスタートを加速させ、2025年の崖を乗り越える!」というテーマで開催します。お気軽にご参加ください。
自宅(テレワーク)での受講が53%を占めた
セミナー配信の様子
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