WEBセミナー 「知を継承しニューノーマルな世界を生き抜くための思考変革」を開催
~ 講演と対談により「経営」と「現場」の視点から考察 ~
システムズは、7月2日(金)にWebセミナー「知を継承しニューノーマルな世界を生き抜くための思考変革」~「経営」と「現場」の視点から考える~ を開催しました。
今回のセミナーは、定例マイグレーションセミナーの内容とは一線を画し、ITの仕組み変革への取り組み指針について、講演や対談を通して考えるビジネスセミナーです。今回は、ヤンマー株式会社元CIOの矢島孝應氏をお招きしてご講演いただいたほか、企業のITの現状と今後について、当社の代表取締役社長の小河原隆史と対談を行いました。多くの方に受講いただきましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。
セミナー開始に先立って、モデレータ役を務めたシステムズ代表取締役社長の小河原隆史から、当社の概要紹介をさせていただきました。
当社代表取締役社長の小河原隆史
1969年創業のシステムズは、今年52期目を迎えました。25年の実績を誇るマイグレーション事業は、汎用機・オフコンからオープン、さらにはクラウドへと時代と共に変遷し、当社も単なる移行ではなく、上流工程可視化によるIT総合診断から運用後の支援まで幅広いサービスを提供しています。小河原は、「加えて、最近発信しているのが“GEMBA×IT”という言葉だ。お客様の課題は現場にあり、そこを重視して見ないと解決できない」と、お客様の現場に寄り添った企画・コンサルティングにも注力していることを強調しました。また、今回のセミナーについて、「知を継承するという大きなテーマを掲げさせていただいた。業務プロセス、人材、文化、情報システムは知の積み上げであり、本セミナーでは、企業の強みである知や知恵をどのように変革していくべきか、皆様と一緒に勉強させていただきたい」と述べ、本日のゲスト講師である矢島孝應氏を紹介しました。
CIO Lounge 理事長 矢島孝應氏
矢島氏は、1979年に松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社。1997年に渡米し情報システム部門を担当、帰国後、本社の情報企画部長や合弁会社の取締役などを歴任しました。2010年からは三洋電機株式会社のITシステム本部長、IT系の関連会社2社の社長を経て、2013年にヤンマー株式会社に入社し、CIOを6年半務めました。退任後、2019年に特定非営利活動法人 CIO Loungeを設立しました。矢島氏は「企業のIT革新をずっと推進してきたと自負している」とこれまでを振り返りました。
矢島氏が理事長を務めるCIO Loungeについて、「経営とITはもっと連携していかねばならないし、企業とベンダーも連携も思ったほどうまくはいっていない」と実情を語った後、企業経営者と情報システム部門、および企業とベンダーの架け橋となり、各企業の効率化・持続的成長に貢献すること、知見を集積したIT RESCUEが共に考えて課題解決策を提言すること、といった理念・方針を概説しました。また、現在35名の企業のCIOや部長クラスと一緒に活動し、さらにパートナー企業75社の支援があること、企業からの相談は無償で受けていること、なども話しました。
この後、「経営を真に支えるIT/デジタル化推進を実現するために ~経営・社会・ITの変化を踏まえ、これからの経営者とCIOの役割~」と題した講演の本題に入りました。矢島氏は、「この1年、IT化を誰が加速したか」と問いかけ、withコロナで、経費と共にITコストも削減した企業と積極的なIT投資をしてきた企業を比較、「端的に言えば、6割の企業が落ち込んでも残る4割で業界を伸長させているのが実態だ」とし、1~2年後に企業競争力にもっと差がつくだろうと指摘しました。
また、大手製造業の代表取締役社長を対象にしたアンケートを紹介しながら、従来のシステムで対応していなかった分野の顕在化、新しい技術やサービスの登場について触れ、ITの経営への活用について分からないという声は、中小だけでなく大企業にもあてはまるのではないか、とし、「経営のプロならITというツールの特性は知っているべきだ」と強調しました。
この後、ICTの特性と情報の重要性について触れ、情報の組み合わせにより新たな情報になることや、情報を生かす人の感性について解説、「情報を生かす力を経営の中に持っていなければならない」と話しました。続いて、「ビジネスプロセス改革」と「データ活用による改革」では、企業における業務力と経営判断力について解説、IT化/システム化対応範囲の変化、非構造化データ/非構造化情報の活用についても言及しました。
矢島氏は、DXについても解説、デジタイゼーションやデジタライゼーションと比較しながら、デジタルによりビジネスモデルを変えるデジタルトランスフォーメーションは「BX by デジタル」だと話しました。また、DXで短期に利益を得ることは困難であり、お客様や業界の将来のビジネス拡大への貢献という点で、企業使命と併せて考えていかねば成功しない、と話しました。企業使命については、ビル清掃会社を例に分かりやすく解説し、企業使命によってDXの方向も異なり、それを決めるのは経営者である、とも述べました。
最後に、お客様と企業とシステム部門の関係が新たなテクノロジーの活用でどのように変わっていくかを解説、三位一体でのデジタル化への取り組みにより新ビジネス創出を図るための組織の役割、経営者の責任、企業統制の重要性などについて触れ、講演を終了しました。
後半は、矢島氏と当社の小河原の対談が行われました。DXは多くの企業が未着手、あるいは成果に結びつかないケースもあるという小河原の問題提起に、矢島氏は「2025年の崖の対応は、すべてをデジタルに乗り換えることではない、コアなビジネスを強化しながら、ノンコアな部分はもっと整理をしていく必要がある」と答えました。また、「歴史がある企業ほど変化への対応が難しいのではないか」といった点に対しては、ヤンマー時代の経験を例に挙げながら、明確な企業使命を持つことの重要性を強調しました。このほか、なぜ日本はIT責任者が役員になれないのか、といった専門性が高いITのイメージについて、また、DXにおける企業としてのビジョンや方向性などについて、話し合いました。
対談終了後は、受講者から寄せられたいくつかの質問に応じる時間を設けました。システム導入で古参役員のハードルが高いケースでの対応方法から、DXにおけるデータ活用、若い力や多様性などに関する質問などに1つ1つに回答させていただきました。最後に、矢島氏から「コロナ禍でITの取り組みは変化したが、終息したらまた元に戻ってしまうのでは意味がない。アフターコロナに何を残すのかも企業は考えなければならない」と締めくくって対談と質疑応答を終了しました。
この後、本日の最後のプログラムとして、当社ビジネスイノベーション本部 ビジネスプロモーション部 部長の板倉利幸から、DX推進を支援するシステムズのITリノベーションの紹介をさせていただきました。
当社の板倉利幸
板倉は、企業におけるデジタル化の推進の現状について、企業の意識調査を紹介し、レガシー化したシステムがデジタル化の足かせになっているという企業が多いと指摘しました。また、レガシーシステムが大半を占めIT人材も不足する2025年の崖の問題にも言及し、「システム刷新を集中的に進める必要がある」とし、どのようにDXを進めていくのかについて、DXレポート2の資料を解説しながら説明しました。
最後に、システムズのソリューション「ITリノベーション」について解説。現状可視化を重視したIT総合診断から、マイグレーション、さらにはDXフェーズでも準備から実践までを伴走支援することをアピールして、セミナーを終了しました。
今回のセミナーを受け、7月21日にはビジネス・経営の視点で、具体的なDXへの取り組み方について事例を交えながら解説するWebセミナーを開催します。詳細はこちらのページ をご覧ください。受講無料ですので、お気軽にご参加ください。 |