“知を継承し「経営」と「現場」の
DXを加速させる!” Webセミナーを開催
~ DX推進の鍵を握る正しい活動計画立案と技術的負債の解消 ~
システムズは、7月21日(水)にWebセミナー“知を継承し「経営」と「現場」のDXを加速させる! ~DX推進の鍵を握る正しい活動計画立案と技術的負債の解消~”を開催しました。
本セミナーは、7月2日のビジネスセミナー「知を継承しニューノーマルな世界を生き抜くための思考変革」の開催を受け、ビジネス・経営の視点でDX(デジタルトランスフォーメーション)への具体的な取り組みについて取り上げたものです。
当社の板倉利幸
セッション開始に先立って、当社のビジネスイノベーション本部 ビジネスプロモーション部 部長である板倉利幸から、システムズの簡単な会社紹介、マイグレーション事業の変遷、6つの事業領域などについてご紹介させていただきました。
また、本日の受講者に、勤務先や関係先でのDXに向けた取り組みについてリアルタイムのアンケートを実施しました。「検討している」が35%、次いで「取り組みに向けて具体的に動いている」が20%といった回答結果となりました。
引き続き、当社の板倉による最初のセッション、“「DXレポート2」を読み解きDX推進の課題と本格的着手のヒントを解説”がスタートしました。経済産業省が2018年9月にDXレポートを公開、さらに2020年12月には中間報告書であるDXレポート2を公開しています。板倉は、これらのDXレポートを読んだことがあるかどうかについてアンケートを行いました。DXレポート、DXレポート2の両方を読んだとの回答が42%を占め、受講者のDXに対する高い関心が窺われる結果となりました。
板倉は、DXの定義を解説し、「世界的にデジタル技術を活用し新たなビジネスモデルを創出している企業が増加し、デジタル化の遅れで競合から取り残されてしまうリスクも高まっている」と指摘しました。また、デジタル化の波にうまく乗れる企業は大きな成長につながり、波に乗れない企業は衰退してしまうことがDXレポートでも示されていると話しました。
また、デジタル化の促進には、従来の守り(管理中心)のITから攻め(ビジネス拡大)のITに変えていく必要があるが、IT人材の業務(IT投資)は既存システムの改修が中心になっているとし、デジタル化の進展に対する意識調査では、約7割の企業がレガシーシステムがDXの足かせだと感じている実態を伝えました。さらに、2025年の崖の問題について言及し、ブラックボックス化したレガシーシステムを仕分けしながら、集中的に刷新し新たな攻めのデジタル戦略を進めていくことの必要性を強調しました。
続いて、「経営層に対する提言や具体的な取り組み例が掲載されている」DXレポート2の概要を紹介しました。経営者への提言については、価値創造の源泉の変化に気づく、現状に危機感を持つ、行動に移す、対話の重要性を認識する、社外とも積極的に連携するといったポイントを具体例を挙げながら説明しました。「行動に移す」フェーズでは、ゴールを決めてロードマップを描くことがDXの第一歩であり、ビジネス戦略やIT施策検討をロードマップに移すことの重要性を説きました。
最後に、DXの進め方について、当社が提供・支援しているIT総合診断、ITモダナイゼーションなどのサービスと合わせて解説し、最初のセッションを終了しました。
第2セッションを担当した巻幡雄毅 氏
第2セッションは、マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社の代表取締役社長である巻幡雄毅氏をゲストに招き、“「取組みの設計」がDX実現の成否を決める ~DX実現に向けた活動計画立案のポイント~ ”というテーマでご講演いただきました。DX実現に向けたシステムズのITリノベーションサービスにおいて、同社は下図の「経営判断支援」の部分を担っています。
巻幡氏は冒頭、「DX自体が目的化している企業が意外に多い。あくまで変革することが主目的であり、そのために便利なデジタルツールを有効活用するという考え方が必要だ」と話しました。また、マネジメントプロセスを「組織が目標達成の責任を果たすための一連の手法」と定義し、情報環境と業務処理プロセス、マネジメントプロセスのそれぞれの意味合いについて解説、顧客企業のメンバーとして企画構想段階から参画してきた同社のスタンスや特徴についても触れました。
続いて、「企画」や「構想」とは何かについて解説しました。企画とは、個人の気づきを組織の気づきとすることである、と話した巻幡氏は、「個々の気づきは社内に点在している。それをいかに束ね、ベクトルを揃えて組織としての気づきにしていくかが企画の本質ではないか」と話し、実現すべき状況について解説を加えました。また、「構想」とはプロジェクト成功に向けた準備であるとし、目標の達成と、実行計画の遂行の2軸で分かりやすく説明、大切なのはリアリティのある実行計画書を作成することであり、そのためにはステップを踏んで段階的に合意形成をすることがポイントだ、と話しました。企画と構想の2つは重要なフェーズでありながら、「これらは取り組み自体が迷走することも多いと感じる」とし、「方法論やテンプレートなど有形ノウハウにすることでお客様に後継できるようにしている」とも話しました。
後半は、DX事例を3例紹介いただきました。DXが進みつつある中で、自分たちが生き残るにはどうしたらいいか、顧客とメーカーを繋ぐ自社のポジショニングについて再考した商社の事例、顧客・店舗とのコミュニケーションルート確立を図った小売業における事例、課題をテーマにまとめ施策・アクションに分解して取り組んだ事例をそれぞれ図を交えて分かりやすく解説しました。
巻幡氏は最後に、「企業変革はチャレンジではない、絶対に実現できる。たった1つの前提は、変革を正しく設計することだ。設計できないものは実現できないが設計できたものは必ず実現できる」と強調し、講演を終了しました。
最後のセッションは、当社の板倉が再び登壇し、“DX推進を阻害するレガシーシステム問題の乗り越え方 ~マイグレーションによる技術的負債の解消アプローチ~”という演題で講演しました。
板倉は、当社が提供する「IT総合診断」について、大きく「業務プロセスの診断」と「IT資産分析」を行うものであること、業務については、既存業務の全体像や各種業務の課題と今後の方向性などを整理し、IT資産については、既存システムの全体像やシステム課題、そして、集約・撤廃できる資産を機械的に抽出すること、可視化した結果からスリム化できる要素や機能拡張すべき要素などを整理すること、といったポイントを説明しました。
最後に、具体的な取り組み事例を3つ紹介しました。1例目は、基幹システムを含めてBPRを行いたい製造業で、業務プロセスの分析はもとより、IT資産分析では、VB6で開発したプログラムの内容を一覧化して未稼働資産の削除を行っています。2例目は、製品のヒットで急成長しシステムが追いついていない家電製品の販売代理店で、業務プロセスの分析と、一部3PL業者との連携部分に絞って、IT資産分析を実施しています。最後の事例は、システムが老朽化・ブラックボックス化してしまっている老舗の印刷物加工業者の事例で、全体のスリム化と類似プログラムの整理を実施し、現在は保守・改善フェーズに取り組んでいます。
セミナー終了後には、質疑応答の時間を設けました。社内組織に対する啓発活動、経営層にIT投資の重要性を説くコツや実例、現状調査や棚卸にかかる期間と予算など、多岐に渡る質問が寄せられ、巻幡氏と板倉が回答させていただきました。当社では、今後も引き続き、こうした旬の話題をテーマにしたWebセミナーを開催していきます。次回は、7月28日に「専門知識のないユーザーが電話応答システムを2週間で構築!Amazon Connect活用事例セミナー」を開催します。皆様のご参加をお待ちしております。
セミナー配信の様子
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