WEBセミナー
「VB6.0アプリレガシー、まだ使い続けますか?
次のWindowsレガシー サポート終了までに
進めたい3つのステップ」を開催
~ 既存VBアプリレガシーシステムの診断・分析から次期計画策定、開発・移行・延命の実施まで ~
システムズは、9月21日(火)に「VB6.0アプリレガシー、まだ使い続けますか? 次のWindowsレガシーサポート終了までに進めたい3つのステップ」と題したWebセミナーを開催しました。
当社の板倉利幸
セッション開始に先立って、当社のビジネスプロモーション部部長 VBマイグレーション エバンジェリストの板倉利幸から、簡単な会社と事業紹介をさせていただきました。システムズの大きな特徴であるマイグレーション事業は、約25年の実績を持っています。当初はオフコンや汎用機のアプリケーションをオープン系のサーバーに移行する業務が中心でしたが、2005年あたりから、Windowsなどオープン系のアプリケーションのレガシー化に伴う移行作業が増え、最近では、オンプレミス環境をクラウドにマイグレーションしたいというご相談、とりわけAWSのクラウド環境への移行ニーズが増えてきた、とこれまでのビジネスを振り返りました。
引き続き、「本日は、経済産業省が公開したDXレポートでも指摘されている古くなったシステムの見直しの問題、その中でも、VB6のアプリをどのように移行していくか、システム見直しの全体的な進め方と、アプリの具体的な移行のしかたを解説していきたい」と前置きし、VBレガシーセッションが始まりました。
最初のテーマは「システム刷新の進め方」。板倉は、Microsoft製品のライフサイクルの紹介とともに、メインストリームサポート、延長サポートの期限について触れ、「延長サポート終了後は、脆弱性が見つかっても更新パッチは提供されず、さまざまなリスクが高まる」と指摘、間際になっての問い合わせが多いことも強調しました。また、現行のWindows10についても言及し、「ずっと同じ環境を使用し続けることができるわけではない。最後のWindowsとも言われていたが、Windows11が発表され、今後もWindowsのレガシー問題がなくなることはないだろう」と話しました。
とはいえ、短期間ですべてのレガシーシステムを移行できるわけではありません。板倉は、DXレポートを紹介しながら、レガシー化したシステムを集中的に刷新する必要性について触れました。中でも重要だとしたのが「技術的負債の解消」です。そのためには、まずシステムの全体像を整理し、システムの要・不要を切り分け、必要なシステムについては、システムのスリム化を図ることが有効だと話しました。
全体的な進め方として、現状の業務やIT資産・システムの可視化、次期IT計画となるロードマップの作成、そのロードマップに沿った段階的な既存システムの刷新・廃棄、必要な機能の構築、外部サービスの活用による既存システムとの連携といったステップでポイントを解説しました。
この後、テーマをアプリケーションの移行手法に転じ、問い合わせの多いVB6.0のアプリ移行の解説を行いました。
板倉はまず、VB6から.Net 2019へのアップグレードの例を図示し、「VB6のアプリのバージョンアップ自体は、VB.Net2003~2008であれば、自動的にMicrosoftアップグレードウィザードにより簡単に行えるが、.Netにする場合は、Microsoftが提供していた関数の仕様が変わったり、関数自体がなくなったりすることもあってエラーとなるため、プログラム側の修正が必要となる。また、サードパーティ製品やDB接続プログラム群などは、さらに問題が多く注意が必要だ」と話しました。
ここで実際のアップグレードの進め方をデモで披露し、アップグレードウィザードを起動しての.Netへの変換や、エラーとなった箇所の確認、プログラムの修正までを紹介しました。また、「このデモではエラーは1カ所だけだったが、現実には数千、多ければ数十万といったエラーに対応する必要もある」と話しました。さらに、「アップグレードレポートに出力されないようなエラーも多くある」とし、そうした「隠れた不具合」の例をいくつか紹介しました。
この後、マイグレーションの流れについてポイントを解説し、エラー内容の抽出とエラーのパターン化、変換設計、変換ツールのカスタマイズなどについて触れ、当社独自の変換ツールについてもデモを用いて説明しました。
最後に、VB6.0の移行事例も紹介しました。基幹システムすべてをVB6.0で作成し、長年、機能追加と改修を重ねて全体で2,000Kステップを超える大きなVB6システムをVB.Netへ移行した企業の事例です。DBサーバーはAWSのRDSに移行したものです。運用効率アップとトータルコスト削減を実現しています。
板倉は、クラウド移行へのメリットに触れながらも、「単にクラウドへ移行しただけでは、数年でオンプレミスの費用を超えてしまうと思う。クラウド活用では、しっかりと設計をしてから移行し、都度状況を管理して最適な環境の維持とコスト最適化を図ることが重要だ」と話し、今回のセッションを終了しました。
セミナー終了後には、質疑応答の時間を設けました。移行コストや他言語への移行変換、VB6マイグレーションの事前準備に関する質問などが寄せられ、講師を務めた板倉が1つずつ回答させていただきました。当社では、今後も引き続き、こうした企業のシステム部門担当者などが関心を寄せている話題をテーマにしたWebセミナーを開催していきます。皆様のご参加をお待ちしております。
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司会・進行を務めた当社の中本周志 |
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セミナー配信の様子 |
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