システムズのマイグレーションコラム
メインフレーム運用の課題とWindows
2016.8.24
メインフレームとコスト
メインフレームとは、1980年代ごろまでに全盛期を迎えた企業の基幹業務などに利用される大規模なコンピュータを指します。各メーカー独自の設計に基づく大型コンピュータで、一般的に移行は困難と言われてきました。ハードウェアの性能が向上し、コスト自体は下がっていますが、ソフトウェアの使用料は低下していないため、運用コストは高止まりしている、という問題を抱えています。このような状況を打開するため、企業の間ではWindowsプラットフォームへの移行などが進められています。移行によってTCOの大部分を占めるソフトウェア使用料金を3年間で最大75%削減することができるとも言われています。
メインフレームとサービス品質
メインフレームはそのコストの高さにより性能を出し切れておらず、IAサーバーやUNIXサーバーの性能は劇的に上がっているのにメインフレームのレベル設定が変更できないことがボトルネックとなり、性能が十分に発揮できない状況にあります。また、ハードウェアやOS、ミドルウェアの制約が大きく、最新化が遅れがちになり、サポート切れになってしまうことも多くあります。Windowsプラットフォームに移行することにより、企業は進化し続けるIAサーバーのコア数に応じたパフォーマンスを制限されることなく享受することができるようになります。
メインフレームの将来展望
メインフレームは一般的に開発期間が長期にわたり、コストも増大しがちです。メインフレームや言語に精通する開発要員もオープン系システムに比べ、技術者が不足し確保しづらい状況にあります。そのため、ビジネス環境や顧客のニーズの変化にシステム自体が柔軟に対応するのが難しく、今後、この問題はより深刻になっていくものと予想されます。Windowsプラットフォームへの移行の取り組みを加速することで、これらの問題が解決される部分は大きいでしょう。ITモダナイゼーションにはそれなりのコストや課題もありますが、それ以上の恩恵を受けることができるオープンシステムが必要とされてきています。