システムズのマイグレーションコラム
Vol.13 システム資産可視化の必要性 -その2-
2016.03.16
可視化の機能概要
前回のコラムでは、システム資産可視化の必要性をご紹介しましたが、ここで検討する可視化とは実際にどういう作業を指すのでしょうか。モダナイゼーションの観点でシステムズが提供する可視化の機能をまとめると、次のようになります。
- 資産棚卸 (使用、未使用、重複資産、プログラムの関連性の把握)
- リポジトリ作成 (業務、機能、データを関連付け、業務がどのような機能・データで構成されているかを解析)
- データディクショナリー整備 (日本語データ項目辞書の整備)
- 名称統一化 (記号名を和名化し日本語ドキュメント出力)
- プログラムの整構造化 (モダナイゼーション観点でのリファクター)
- ドキュメント整備 (モダナイゼーション観点でのリドキュメント)
資産棚卸で既存システムを知る
可視化の機能としてまず挙げられるのが、最初に行う資産棚卸です。ドキュメント、ソースプログラム、データ構造といった現行システムの資産をすべて分析し、レガシーシステム内にあるソフトウェアの全体像の把握を行います。ブラックボックス化されているものであっても、システムの中身を精査しプログラムの使用状況などをドキュメント化していきます。使われていないプログラムや重複したプログラムを排除することで、有効な資産と不要な資産との切り分けが実現できます。これによって、使用、未使用はもちろん、不足、重複の資産一覧に、使用ユーティリティ、使用システムルーティン一覧、資産関連図といったドキュメントが出力されます。
業務・機能・データの3つの視点
システムの可視化・見える化は、「業務」「機能(アプリケーション)」「データ(処理)」の3つの観点で行います。業務の視点からの分析では、実際の業務プロセスのヒアリングや、既存ドキュメントの調査など、コンサルティングによる情報の整理も行います。機能の視点からの分析では、プログラムやJCL(ジョブ制御言語)を機械的に解析するツールを用いて、ソースやデータ構造に関するさまざまな情報をリポジトリ化します。ここでは各企業に合わせてカスタマイズする当社独自の可視化ツールが活躍し、現状のドキュメントとソースプログラムが一致していなくても、資産解析やドキュメント作成を可能な限り自動化します。(次回のコラムに続く)