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システムズのマイグレーションコラム

Vol.08 ITシステムのブラックボックス化を回避するためには

2015.11.24

ブラックボックス化解消の事例

当社がブラックボックス化解消に取り組んだ例を1つ紹介します。ある大手自動車部品製造会社では、20年以上に渡って運用していたメインフレームの基幹システムをERPに刷新することになりましたが、ドキュメントが最新化されていないか未作成、プログラムの構成管理の仕組みがない、システム全体を把握している担当者は退職、さらには、プログラムの先祖返りで不具合が多発し、取引先からのクレームにも発展していた、といった問題がありました。当社は、システムの可視化で必要資産を半数に減少させる、作業分析と仕組み(運用手順書の作成、メンテナンス手順、運用改善サイクルなど)の導入を提案しました。

当たり前のことを地道に続けるしかない

前回のコラムで書いたとおり、ブラックボックス化を回避するには、当たり前のことを地道にやるしかないのです。当社では、このお客様に対し、マイグレーション作業と並行して、SEが常駐して仕組みが定着するまで支援しました。その結果、(1) マニュアル化の必要性が浸透しドキュメントのメンテナンスを行うようになった、(2) 当社が用意したツールにより作業効率を上げる試みができ始めた、(3) 運用のビジネスパートナー2名を削減、人件費抑制を実現した、といった成果を上げています。

高い意識でブラックボックス化に取り組もう

システムのブラックボックス化は、ITを硬直化し、ひいては企業の競争力を損なう大きな要因ともなります。この問題を解消するには、経営者の理解や協力も必要でしょう。システムズでは、「システム保守作業の属人化は避けられない問題で、決してゼロにはできない」と考えています。ただし、システム知識・保守ノウハウの継承を容易にすることは可能です。当社では、「システムの可視化、ドキュメント整備」、「作業手順の自動化、保守ツールの導入」、「事例/実績の記録、情報共有の仕組み作り」などを地道に進めていくことを提案しています。また、運用のブラックボックス化など現状分析を行い、実績データの測定と視える化により、コストダウン・安定運用に向けた改善を実施する運用業務最適化サービスも行っています。

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